NYSO New York City Sheriff's Officeは、選挙ではなく市長からの任命制によるSheriff(保安官)以下、完全な警察権を持った約150名のDeputy(副保安官/保安官代理)が、主に民事での裁判所命令の執行を行っています。本来業務のうち、警察業務(NYPDに委託)、裁判所の警備(NYS Court Officerに委託)、囚人の管理(NYC Department of Correctionsに委託)は基本的に行っていません。
[1]デピュティバッジ。市民の認知度が高いNYPDディティクティブスタイル。United Insignia社 F308ベース+NYCSOカスタム、ソリッドバック、バーポストアタッチメント、H/Mなし。[2]旧パッチ。[3]9-11メモリアルパッチ。[4]ミレニアムパッチ。[5]1992年からの旧スタイル。[6]NYPDスタイル。
NYC DOC Patches
解説
Department of Correction(矯正局)は、1895年にDepartment of Public Charities and Correctionから独立し、1942年には各郡シェリフから管轄権を引き継ぎ現在に至っています。本部はクィーンズのジャクソンハイツ。Special Operations Divisionには、ESU、K-9、マリンユニットも設置されています。NYPDのMOSが「Finest」と呼ばれるのに対し、「Boldest」の愛称で呼ばれるNYS Peace Officer資格を持つ約9,500人の制服職員と、約1,400人の民間人が働いています。制服職員は、収容者と直接接触する配属先では安全のため非銃器武装ですが、それ以外の配属では武装し、非番時は全員がけん銃武装可能です。年間約10万人の新規収容者がおり、多くの州の受刑者数を上回る13,000〜18,000人もの拘置者のほとんどは、ライカーズ・アイランドかルーズベルト・アイランドに収容されています。
[1]デパートメントパッチ。[2]キャップパッチ。[3]イエロートリムデパートメントパッチ。[4]インベスティゲーターシールドパッチ。
NYC DEP Patches
解説
Department of Environmental Protection Police(環境保護局警察)は、1906年設立のBureau of Water Supply Policeが前身となり、1983年にBureau of Water SupplyがDepartment of Environmental Protectionとなったのを機に現在の形態となりました。ESU(特殊部隊)、マリンパトロール、K-9、刑事局を有しています。
管轄はニューヨーク市内5郡のみならず、周辺の14郡に及びます。メリーランド州とほぼ同じ広さに対し、僅か150人ほどの警察官で、単一の水源としては国内最大を誇るニューヨーク市の給水設備を保護しています。年に4,000件以上の捜査を行い、そのうち500件ほどが犯罪性のある案件で、汚水処理施設の障害、水質汚染、有害廃棄物の不法な輸送・格納・処分などが含まれます。
メンバーはNYS Police Officerに指定され、けん銃で武装しています。階級は、Chief、Deputy Chief、Lieutenant、Detective Sergeant/Sergeant、Detective/Environmental Police Officer。
[1&2]ポリスパッチ。[3&4]パトリオットデザインポリスパッチ。[5]1983年までのパッチ。[6]デパートメントパッチ。
NYC DHS Patches
解説
Department of Homeless Services Police(ホームレス業務局警察)は、DHSに対するまたは施設内での警察業務を担当しています。1993年にDHSが創設され、1997年に、HRAが運営するシェルター「Camp Laguardia」を警備していたHRA Policeから引き継ぐ形で、65名のPeace Officerを擁する独自の警察が組織されました。当初は同シェルターのみを管轄し、ほかの市営シェルターは民間警備会社に任せていましたが、現在は380名ほどの人員で複数の施設を管轄しています。
メンバーはNYS Peace Officerに指定されていますが、けん銃による武装はしていません。
[1]デパートメントパッチ。[2]Police Officerシールドパッチ。[3]1997年当時の同局が「POLICE」という文字を入れるのを忌諱して作成された「SPECIAL OFFICER」パッチ。
NYC DOI Patches
解説
Department of Investigation(捜査局)は、ニューヨーク市政府のどの機関にも属さない独立した監視機関です。スキャンダルをきっかけに1873年に創設。
不正の告発、市従業員による不正行為、賄賂などに関する捜査が主な任務です。また、汚職の危険を察知する手順を研究し、市の不正行為、浪費、汚職に対する脆弱性を減少させるための提言を行います。さらに、それらが公共の信用に役立つように合っているかどうか決定するために、政策決定する立場あるいは重要な案件を扱う職員の身辺調査や市納入業者選定テストの実施を行っています。また、市民の不正就業に対する捜査も行っています。
[1]デパートメントパッチ。同局のSpecial Investigator向けに作成されたものと思われます。
[2]Marshalパッチ。Marshalは5年の任期で市長に任命された公人ですが、市職員ではなく、裁判所執行を含む民事裁判での手数料が収入となります。州の刑事法により、連邦捜査局か市警察学校で銃器訓練を受け、市警察から銃器許可を受けたCity MarshalはNYS Peace Officerに分類されているものの、市は、州のマーシャル認定を求めていないため、Peace Officerとはみなしていません。
[3]Special Commissioner of Investigation for the New York City School Districtパッチ。市教育庁あるいは長から独立して関連する捜査を行っています。
NYC DSNY Patches
解説
NYSP Department of Sanitation Police(公衆衛生局警察)は、1936年に組織され、市の衛生法とリサイクル法に関する警察業務を中心に、全ての法律についての警察権を有しています。
現在は130名ほどの警察官が、分別しない住民への違反切符発行から違法な廃棄物、産業廃棄物、有毒廃棄物に関する取締や捜査を行っています。1996年、一般廃棄物に混ざっていたフッ化水素酸が顔に当たったことが原因で同局職員が死亡した事件において、NYPDと共同捜査を行い、最終的に容疑者を逮捕したのはNYSPの警察官でした。
メンバーはNYS Peace Officerに指定され、けん銃による武装をしています。制服は、肩のパッチ以外はNYPDとほとんど変わりません。
[1]デパートメントパッチ。[2]オールドスタイルポリスパッチ。[3]オールドスタイルエンフォースメントパッチ。
NYC TLC Patch
解説
Taxi and Limo Commission Enforcement(タクシー&リムジン委員会法執行部)は、市内約13,000台のタクシーのほか、40,000台以上のハイヤーを監督しています。
法執行部には、Special PatrolmanであるTaxi and Limousine Inspectorがおり、同委の規程により取締、法執行、調査、検査業務を行っています。徒歩あるいは車によるパトロール、車両および施設の規格・法律・規制・物理的仕様に対する遵守状況の検査を行っています。また、遵守違反の場合には令状の発行、場合によっては逮捕も行いますが、けん銃による武装はせず、バトン、ペッパースプレー、ハンドカフを装備しています。
New York City Housing Authority Police Department(ニューヨーク市公共住宅局警察)は、1952年12月に設置されました。
1934年に州公営住宅法に基づき公営住宅が建設されると、セキュリティガードが設置されましたが、段々と複雑化する問題への対応や、分散する施設を管轄する難しさなど、様々な問題が出てきました。そこで1952年12月、47名の警察官によって警察組織をスタートさせました。当初のメンバーはSpecial Patrolmanとして指定されていましたが、1958年には州議会によってPeace Officerに指定され、1966年に正式なPolice Departmentとして指定されると、メンバーの地位もPolice Officerに指定されました。最終的には2,700名以上のPolice Officerを抱える組織になりましたが、1995年5月1日、NYPDに統合されました。現在のNYPD Housing Bureauの母体となった組織です。
[1]デパートメントパッチ。[2]キャップサイズ。
NY JTF Patches
解説
[1〜3]NYDETF(New York Drug Enforcement Task Force)パッチ。1970年に、DEA(Drug Enforcement Administration)の前身であるBNDD(Bureau of Narcotics and Dangerous Drugs)と地元の法執行機関によって創設、主にNYPD、NYSP、そしてBNDDのメンバーで構成されました。このプログラムは、現在200以上あるDEAと地方法執行機関とのタスクフォースの先駆けとなる成功例となりました。
[4&5]OpSail 2000パッチ。世界40カ国120隻以上の帆船と米海軍が参加、プエルトリコのサンファン港から全米各地を周った大帆船ショーで、独立記念日の前後に訪れたNYでは、NYPDをはじめ関係機関総力を挙げて警備を行いました。2は法執行機関バージョン、3はジャージーシティ医療センターバージョン。
NYS MTA Police Badge&Patch
解説
MTA Police(State of New York Metropolitan Transportation Authority Police)は、1998年、Long Island Rail Road Policeと、Metro-North Railroad PDが統合する形でニューヨーク州交通局が設立、2005年にはMTA Staten Island Railway PDを吸収、同州とコネチカット州にまたがって管理する交通機関の施設内を管轄しています。民間人も含めた職員数は約700名。
[1&2]Detective(刑事)とLieutenent(警部補)バッジ。United Insignia社 MTA PDカスタム。シェルバック。バーポストアタッチメント。H/Mなし。
[3&4]デパートメントパッチ。レギュラー&キャップサイズ。
[5〜8]LIRR/MNCR/SIRTデパートメントパッチ。
[9]NYS MTAの実質下部組織であるNYC MTAの財産保護官パッチ。NYS Guard資格を持っている警備員です。
NYS MTA TBTA Patches
解説
TBTA(Triborough Bridge and Tunnel Authority)は国内最大の橋およびトンネル料金収受機関で、MTA Bridges and Tunnelsとして知られています。
管轄エリアはNY市内7つの橋と2つのトンネル(Triborough Bridge、Bronx-Whitestone Bridge、Verrazano Narrows Bridge、Throgs Neck Bridge、Henry Hudson Bridge、Marine Parkway-Gil Hodges Memorial Bridge、Cross Bay Veterans Memorial Bridge、Brooklyn-Battery TunnelとQueens Midtown Tunnel)で、約900人のNYS Peace OfficerであるBTO(Bridge and Tunnel Officers)が、法執行業務のほか、料金徴収、交通整理、除雪作業なども担当しています。
[1]デパートメントパッチ。
[2]Special Operations Divisionパッチ。SODには、Collision Reduction Unit(衝突削減隊)という部署があり、州車両交通法および市交通規定、特にスピード違反に対する取締を行っています。
NY&NJ PAPD Used Helmet
解説
PAPDで支給されているヘルメット。Cairns&Brother N660C Metro CFR。
映画「ワールド・トレード・センター」で使われていたものと似ていますが、これは通常建築物火災用の660をベースに、ミラーフェイスシールドやアルミ加工されたイヤーカバーをつけ、航空機火災に対応する仕様にしたCFRモデルで、PAPDが管轄するNYエリアの3空港に配備されています。正面にはPAPDシールのリフレクティブステッカーが貼られています。
1996年製の中古品。PAPDオフィサーの友人から譲受。
アメリカ動物虐待防止協会(American Society for the Prevention of Cruelty to Animals)は、動物愛護法執行部門(Humane Law Enforcement Division)を持ち、ニューヨーク市内で動物虐待に関する警察活動を行っていましたが、2013年12月に解体されました。20名ほどの警察官が、月に400-500件の捜査を行い、年間50〜100件ほどの逮捕、数十件の出頭命令、数百件の動物差し押さえの実績がありました。
メンバーはNYS Peace Officerの地位に指定され、けん銃で武装していました。階級は、Assistant Director of Law Enforcement、Executive Officer、Supervisory Special Investigator、Special Investigator、Special Agent。
[1]刑事クラスの特別捜査官バッジ。NYPDディティクティブスタイルです。United Insignia F308ベース+ASPCAカスタム。ソリッドバック。バーポストアタッチメント。H/Mなし。[2]パッチ。
Co-op City Department of Public Safetyは、RiverBay Corporationによって運営されている同民営団地の治安を守っています。NYPDとは競合管轄。
Co-op Cityはブロンクス北東に位置し、39平方kmに35棟の高層住宅、240の住宅、3つのショッピングセンター、2つの複合学校施設があり、60,000人ほどが居住しています。
Patrol UnitやBicycle Patrol Unitのほか、ESU、Detective Squad、Gang Intelligence Unit、Community Affairs Unit、Community Policing Unit、Dispatch Unit、Investigations Unitも組織されています。
Sgt以上の階級では1977年から、1990年からはPublic Safety Officerもけん銃による武装をしています。ただし、Special Patrolmanであるため、勤務中のみPeace Officerで、非番時は民間人のため許可証なくけん銃携帯はできません。
NYCHRRPD Patch
解説
ニューヨーククロスハーバーレイルロード警察(New York Cross Harbor Railroad Police)のデパートメントパッチ。
NYCHRRは、1983年設立の鉄道車両専門フェリー会社で、1990年代初めに自社の警察を組織。常勤のチーフのほか、Reserve Superintendent以下Reserve Special Agentを雇用し、市の大通りを横断する際の交通整理や、R. Diamond、Brooklyn Historic Railway Associationのイベント時の警備を主な任務としていました。
しかしながら、2006年にMid Atlantic New England Rail, LLCが同社を買収後、New York New Jersey Rail LLCに改名、多くの業務を引き継ぎましたが、警察は解散しました。